2026年7月01日

「子どもと同じスプーンやお箸を使うと、虫歯菌がうつるから絶対に避けた方がいい。」
子育て中に、このような話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、2023年に日本口腔衛生学会が公表した見解では、この考え方について新たな知見が示されています。
親子で食器を分けるだけでは虫歯は予防できない?
日本口腔衛生学会では、
「食器の共有を避けることだけで虫歯を予防できるという科学的根拠は、必ずしも強くない」
としています。
親から子どもへ口の中の細菌が伝わることは事実ですが、その経路は食器の共有だけではありません。
日常生活のスキンシップや会話などを通しても細菌は共有されることが知られており、「食器を分ければ虫歯菌を防げる」と考えることは難しいとされています。
また、3歳児を対象とした日本の研究でも、親との食器共有とう蝕(虫歯)の発生との間に明確な関連は認められませんでした。
本当に大切な虫歯予防とは?
虫歯予防で重要なのは、食器を分けることよりも、毎日の生活習慣です。
① フッ化物配合歯みがき剤を使う
年齢に応じた量のフッ化物配合歯みがき剤を使用することで、歯質を強くし、虫歯になりにくい環境をつくることができます。
② 甘いものの摂り方を見直す
ジュースやお菓子を長時間だらだら食べたり飲んだりすると、虫歯のリスクが高まります。
量だけでなく、「食べる時間」も大切です。
③ 毎日の仕上げ磨きを続ける
乳歯や生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいため、保護者による仕上げ磨きが欠かせません。
特に小学校中学年頃までは、お子さんだけでは磨き残しが多いため、仕上げ磨きをおすすめします。
④ 保護者のお口の健康も大切
保護者のお口の状態が良いことは、お子さんのお口の健康にもつながります。
定期的な歯科検診やクリーニングを受け、家族みんなでお口の健康を守りましょう。
「食器を共有したから虫歯になる」と心配しすぎなくても大丈夫
日本口腔衛生学会は、食器の共有を完全に避けることよりも、科学的根拠に基づいた虫歯予防を実践することが重要だとしています。
スプーンを共有してしまったことを必要以上に心配する必要はありません。
毎日の歯みがき、フッ化物の活用、食生活の見直し、そして定期的な歯科受診を続けることが、お子さんの健康なお口を育てる一番の近道です。
新千里なかの歯科では
当院では、お子さんの年齢やお口の状態に合わせた虫歯予防や仕上げ磨きのアドバイスを行っています。
「どんな歯みがき剤を使えばいいの?」「仕上げ磨きは何歳まで必要?」など、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
参考文献
・日本口腔衛生学会.乳幼児期における親との食器共有について.2023年8月31日.
・日本小児歯科学会.「乳幼児期における親との食器共有について」.2023年.
