2026年8月11日

「毎日きちんと仕上げ磨きをしているのに、虫歯が見つかった」
小児歯科では、このようなご相談をいただくことがあります。
実は子どもの虫歯には、歯磨きの仕方だけではなく、乳歯特有の「歯の形」も関係しています。
特に虫歯になりやすい場所のひとつが、第一乳臼歯と第二乳臼歯という、乳歯の奥歯と奥歯の間です。
今回は、なぜこの部分に虫歯ができやすいのか、乳歯の特徴とともにご説明します。
第一乳臼歯と第二乳臼歯の間は虫歯に注意
乳歯の奥歯には、前から第一乳臼歯、第二乳臼歯という2本の歯があります。
この2本の歯が隣り合っている部分は、乳歯の虫歯で特に注意したい場所です。
奥歯の噛む面は仕上げ磨きの際にも比較的見やすいのですが、歯と歯の間は外から見えにくく、歯ブラシの毛先も入りません。
そのため、
「見たところ穴はないから大丈夫」
と思っていても、見えない歯と歯の間から虫歯が進行していることがあります。
理由① 乳臼歯は隣の歯と接している面が広い
乳臼歯の特徴のひとつが、隣の歯と接している部分が広いことです。
第一乳臼歯と第二乳臼歯が広い範囲でピタッと接触すると、その部分には歯ブラシの毛先が入りません。
毎日きちんと仕上げ磨きをしていても、歯ブラシだけでは歯と歯の接触部分のプラークを十分に取り除くことが難しいのです。
つまり、「磨いているのに虫歯になった=仕上げ磨きができていなかった」とは限りません。
歯ブラシでは清掃できない場所があることを知っておくことが大切です。
理由② 乳歯は根元に向かってくびれた形をしている
乳臼歯にはもうひとつ特徴があります。
それが、歯頸部(歯の根元付近)のくびれが強いことです。
上の方では隣の歯と広く接触している一方、その下はくびれており、歯と歯の間に**「歯間鼓形空隙(しかんこけいくうげき)」**と呼ばれる空間があります。
簡単にいうと、
「上はピタッとくっついていて、下はくびれている」
という形です。
このような乳歯特有の形も、歯と歯の間の清掃を難しくする理由のひとつです。
理由③ 乳歯はエナメル質・象牙質が薄い
さらに注意したいのが、乳歯は永久歯よりもエナメル質や象牙質が薄いということです。
歯の表面にあるエナメル質、その内側にある象牙質を越えると、さらに内側には神経や血管が入っている歯髄があります。
乳歯ではこれらの硬い組織が永久歯より薄いため、一度虫歯ができると、内部へ進行するまでの距離が短くなります。
理由④ 乳歯は歯髄(神経)が大きい
乳歯は永久歯と比較して、歯の大きさに対して歯髄が大きいことも特徴です。
つまり、
「外側のエナメル質・象牙質は薄く、内側の歯髄は大きい」
という構造になっています。
そのため、見た目にはそれほど大きな虫歯に見えなくても、内部では思っていた以上に神経の近くまで虫歯が進んでいることがあります。
乳歯だからいずれ抜ける、と考えず、早期発見・早期治療と虫歯予防が大切です。
子どもの虫歯予防には「仕上げ磨き+デンタルフロス」
では、第一乳臼歯と第二乳臼歯の間の虫歯を予防するにはどうすればよいのでしょうか。
大切なのが、
「仕上げ磨き+デンタルフロス」
です。
歯ブラシは歯の表面をきれいにするためには欠かせませんが、ピタッと接触した歯と歯の間まで毛先を入れることはできません。
そこで、デンタルフロスを歯と歯の間に通して、歯ブラシでは取り除けないプラークを除去します。
特に、乳臼歯同士がしっかりくっついてきたお子さまは、毎日の仕上げ磨きにフロスを取り入れることをおすすめします。
歯と歯の間の虫歯は見ただけでは分からないことも
歯と歯の間にできる虫歯を「隣接面う蝕」といいます。
隣接面う蝕は、噛む面などにできる虫歯とは違い、外から見ただけでは分かりにくい場合があります。
そのため、小児歯科での定期健診が重要です。
必要に応じてレントゲン検査(バイトウイングなど)を行うことで、目で見ただけでは確認しにくい歯と歯の間の虫歯が見つかることもあります。
豊中市・桃山台で小児歯科をお探しの方へ
子どもの虫歯は、単に「歯磨きができていないから」できるものではありません。
特に乳歯の奥歯は、
・隣の歯との接触面が広い
・歯頸部のくびれが強い
・エナメル質や象牙質が薄い
・歯髄が大きい
という乳歯特有の特徴があります。
だからこそ、毎日の仕上げ磨きに加えて、デンタルフロスを使った歯と歯の間のケアが大切です。
新千里なかの歯科では、豊中市・桃山台エリアのお子さまの虫歯予防、定期健診、フッ素塗布などの小児歯科診療を行っています。
「子どもの奥歯がくっついてきた」
「フロスはいつから始めればいい?」
「乳歯の虫歯が心配」
といった疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。
